田中宏曉教授と関西をはじめとする各地の公園関係者が設立した(一社)公園からの健康づくりネットの理事も務める。この団体は、運動不足になりがちな都市生活者に良好な緑環境を提供し、「歩きたくなる、走りたくなる公園」のネットワークを活かした健康づくりに取り組んでいる。
運動の強度を段階的に上げて行くと、ある所から息が上がり、鼓動も急に早くなってきます。この時、血液中の乳酸濃度が急に高くなっています。乳酸の濃度が、中枢神経を刺激して呼吸を早くしたり、心拍数を上げるスイッチになっているため昔は、疲労物質と言われたりしました。乳酸が急増する前の運動の強さのポイント(専門的には乳酸閾値(にゅうさんいきち):LT 値と言います)が、最も脂肪を燃焼させながら、しかも苦しくなくて息が切れない運動の強さです。スロージョギングでは、この運動強度になる走りをにこにこペースと名付けています。
そしてにこにこペースでのジョギングを日々継続していくと、LT 値が段々とグラフの右方向にいきます。つまり、運動の強度を上げても息が切れず(乳酸が出ない)脂肪を使って運動できる能力が高まるのです。
スロージョギングは安全な運動であるため、当初は高齢者のための運動として受け入れられました。しかし現在ではアメリカ空軍の訓練法としても採用されています。