過去の特集記事

 

 

 

 

 

シューフィッター補習講座 ドイツ(フランクフルト)靴業界・研修旅行

マイスター学校(ハノーバー)
「オートペディシューマイスター(OSM)専門学校」

公立マイスター学校入口  ドイツのシューマイスターは「靴職人」を指し、オートペディシューマイスター(OSM)は国家資格を持つ「足の医学的知識を兼ね備えた靴職人」となる。OSM になるまでの教育カリキュラムは、見習い生として3 年半のカリキュラムを習得、ゲゼレ試験に合格。マイスターになるには3 年間ゲゼレとして働いた経験が必要、OSM養成は900 時間、OSM 試験に合格するまでの日数は合計約7 年を要する。

 公立のマイスター学校ということで、もっと厳格なイメージを持っていましたが、講義の雰囲気も生徒も和やかだったのが印象的でした。学生の方々が実際にデザインを工夫したり、脚長差用の紳士用ブーツの釣り込み作業をしている風景を見学することができました。普通の靴は作れて当たり前、といった技術レベルの高さに加え、患者さんの足に合った靴を制作する難しさは、想像をはるかに超えました。患者さんの悩みに向き合う、とても責任とやりがいのある職業だと実感します。校長先生による参加者の足計測のデモンストレーションの中で、「履いてきた靴を見る」「歩き方姿勢の取り方を見る」「患者の話をよく聞く」大切な3 つの話は、小売りの現場で接客している者として実感、改めて大切な内 容だと再認識、うれしい思いでした。トラブルがある自分の足の測定をしていただき、原因と対処方法の説明を受け、理解できたことは有難かったです。又、ポドロジー(ドイツ式フットケア)という資格を得る実習の見学ができたこともラッキーでした。カテゴリー別のカリキュラム実習風景が見られたこと、完成靴が自分のイメージと異なった出来上がりにも驚かされました。医療と靴との融合で、足のトラブル、障害のある方々の要望が少しでも解決され、喜ばれる姿が目に浮かびました。足と靴に対しては、ドイツの社会貢献度の高い水準を目の当たりにして、生活文化や歴史の違いを強く感じました。