シャンクの破損の位置
シャンクが破損する多くは、カウンターのないサンダルやスリングバックタイプで、且つまくり無い太いストレートタイプで4 〜6cm タイプ(写真4)が大半を占めています。
闊歩することが出来て、シャンクの鳩目穴がヒールのあご部付近になってしまい、応力が集中してしまう靴が多発しています。
シャンクの構造上の弱点と使用状態が重なったためである。
写真6 は鳩目穴から破壊した例である。ヒールあごに近くなることが多く、最も多く発生する位置でもある。曲げる力が弱い位置に集中して掛かるためである。

前回の写真2 はヒール取り付け部分が切り込み形式でなく、穴明きになっているシャンクである。
破損の原因
ヒールの付いた靴では歩行時の着地や踏み切り時に大きな負荷がかかります。図1 はフォースプレートを床面に設置して歩行時の力を垂直方向と水平方向の分力として測定したものです。これはヒールの斜め後方から体重の1.5 倍以上が一点に集中して掛かることを示しています。この大きな力を先ずヒール取
り付け部で受け止めます。その後の体重移動でヒールあご部から踏まず部へと負荷が移動します。その負荷の繰返しがシャンクにかかり、疲労破壊を起こします。

このシャンクに掛かる力が如何ほどかを知り、シャンク強度を設計しようとした研究があります。そのなかでヒールの形状・高さによって歩様が変化して負荷を変えると言うことを導き出しました。
図2 は太い安定したヒールの靴ではヒールから着地して爪先が続くヒール・ツゥ・トウ(heel to toe)の歩容になり、スティレットヒールのような細く不安定なヒールではひざを曲げて爪先から着地するトウ・ツゥ・ヒール(toe to heel)になり歩幅も狭い歩行になると言う。靴への負荷も変化することを見つけた。

このことで、歩様が変化して図3 のように歩行の支点でもある腰の位置が変化します。その結果、ヒール後部の磨耗が多い歩行であったり、爪先の摩滅の激しい歩行なったりします。シャンクをどれほどの強度にするかを決定する設計上の要素であって、個人差だけでは片付けられない重要な問題である。
