レントゲン写真1 は技術的管理が不十分で補強パイプの周辺に気泡が発生して、補強の役割が半減しヒールが疲労破壊したものです。
ヒール破壊問題では、ヒールが靴から外れてしまう事故も多い。写真4 では踵後方からの力でヒール釘が抜けてしまったタイプです。写真5ではどちら側の力で抜け取れたかは判別できませんがヒール釘が抜けています。
写真6では前方からの力でヒールが取れた靴です。図4ではヒール釘の頭が中底からすり抜けてしまった事故です。
写真4、5のように釘がヒールより抜けるようなヒール材料は釘の保持力が弱いためです。この保持力の測定では図2のように釘をヒールに打ち込み、それを引き抜いて最大の力を測定します。ISO のTノートではこのヒールピン保持力を、80N/mm以上としています。通常4ミリ程度打ち込まれますから、一本について320Nすなわち約32㎏の力でないと引き抜けません。5本で固定しますと合計で160kgの強度が得られます。