以前買った革靴が、とても履きやすかったので全く同じものをもう1足購入しました。
同じ履き心地でしょうか?いいえそれが違うのです。
1頭の牛の革は部位によって硬い、柔らかい、伸びない、伸びるというように異なります。
我々人間も同じですよね、お尻やおなかを例に考えて下さい。
均一に作られる合成皮革材と違い、革靴に全く同じ履き心地を求めるのは難しいのです。
加えて革靴はほとんどが手作業で作られています。革の裁断、縫製、かかとやくるぶしの深さの調節など、職人の経験がなせる業で作られています。
全く同じ製品を作ろうと職人も努力していますが、微妙に出来上がりは異なるのです。
お店でよく、こんな光景を見かけます。お客さんが、棚にある靴を履いてみて、具合が良く気に入りました。
店員に「同じ靴で新しいものをください」と伝え、サイズを確かめて買いました。ところが翌日「足に当たって痛い」と不満を訴えに来店しました。
なぜ買う前に当たることに気づかなかったのでしょうか?
そう、奥から出された新しい靴を履いてみなかったからですね。
履いて歩いて「良い」と判断したら、その靴を買うのが鉄則。新品が欲しいなら、同じように履いて歩いてみなければ失敗します。
春夏に欲しいサンダルも同じこと。紐は1本1本、職人が手で留めています。「気に入ったけれど、外反母趾(ぼし)に当たって痛い」。
それなら、同じサイズで同じデザインでも、奥にある新品は大丈夫かもしれませんよ。
もちろん、足を入れるだけでなく、必ず歩いてみましょう。